将来、地元で塾を開業しようと思っていますが、学校の先生の免許は持っていません。塾を開業するために何か資格は必要なのでしょうか？
結論から言うと、塾の開業には資格は不要です。開業届を出すぐらいの手続で開業は出来ます。
しかし、資格が無いということは誰でも開業できるということで、その分、競合する塾が増えるということにもなります。実際に塾を開業したけど、倒産してしまったという話は珍しいことではありません。
つまり資格が不要だからこそ、開業する人の知識や経験、意識の持ち方が大事になってきます。
そこで、この記事では、塾を開業するために必要な心構え、スキルや経験についてご紹介します。
- この記事で分かること
- 塾の開業に資格は不要なので倒産も多い
- 開業時に必要な心構え
- 開業時にあったら有利なスキル・経験
- スキル・経験が無いと開業出来ないのか？
- サマリー
- どんな生徒を育てたいかという理想イメージ
- 指導と事業性のバランス感覚
- 数値化できる指導実績
- マーケティング
- この記事の信頼性（筆者プロフィール）
- 元公文社員、学習塾業界の経験が１８年
- 生徒数２倍、ホームページアクセス数２.３倍など実績多数
- コンサルティングや関わった塾は３００件以上
- 経済産業省、ドリームゲート認定アドバイザー
塾の開業に資格は不要なので倒産も多い
塾の倒産件数
そう言われると、開業する意欲が無くなってきますね、、、
一般的な起業の持続率
中小企業白書によると、起業後の起業生存率は、下記のようになっています。
| 年数 | 生存率 |
|---|---|
|
１年後 |
95.3% |
|
２年後 |
91.5% |
|
３年後 |
88.1% |
|
４年後 |
84.8% |
|
５年後 |
81.7% |
塾に関わらず、事業を継続するには失敗のリスクがある、ということですね。
そうですね。塾に限らず、開業すれば失敗のリスクがあります。そのリスクを出来るだけ減らすように考える方が大事になってきます。
筆者は300以上の塾と関わってきましたが、塾を持続させている、もしくは発展させている人には特徴があると感じています。独断と偏見ですがその内容をご紹介します。
開業時に必要な心構え
どんな生徒を育てたいかという理想イメージ
何となく教育に興味がある、というよりは「こんな生徒を育てたい」というイメージが具体的な方が事業を持続させることが出来ます。
理由は、そのイメージを軸にして様々なことを一貫して決断ができるからです。
開業すると、テナントを借りたり、コースの内容や料金、広告を作成したりと、自分で決めることがたくさんあります。
その際に、イメージが具体的だと塾に来て欲しい年齢層や学力などターゲットが明確になり、一貫した塾運営が出来ます。
私は塾の経験があまりなく、明確なイメージを持っていません、、、
教育分野の経験が少ない方ほど、あまり明確なイメージを持てないのは仕方がありません。
開業し、自分で生徒と接していくと徐々に明確になっていきますので、そのような「理想イメージ」を持つことが大事だ、ということだけ知って頂けたらと思います。
指導と事業性のバランス感覚
今来ている生徒をもっと伸ばしたいと思って塾を運営していると、時間がいくらあっても足りません。
そうなると長時間の労働になってしまい、体調を崩したり自分自身やスタッフが疲弊してしまいます。
また、少しでも多くの生徒に来て欲しいと思って会費を下げてしまうと、生徒が増えても利益が増えずに生活が苦しくなってしまうケースもあります。
一方、生徒募集にばかり力を入れて、肝心の生徒自体を伸ばしていないケースもあります。
生徒を伸ばすことは第一に考えながら、塾がどうしたら継続できるかという視点を持つことが大事になってきます。
開業時にあったら有利なスキル・経験
数値化できる指導実績
個人塾は大手塾のようなブランド力や信頼感がありません。そんな中、保護者が塾が選ぶ視点として「どんな先生が教えてくれるのか？」が重要になります。
家から近い、通いやすいというのも塾決定の大きな要因ですが、いくら家から近くても信頼できない先生に我が子を任せる訳にはいきません。
その信頼感を増す内容として「数値化できる指導実績」があげられます。
過去に偏差値40の生徒を1年間で60まで引き上げた、（他塾で）〇〇高校の合格者を〇名指導した、など保護者の信頼や安心につながるような実績があれば有利になります。
マーケティング
塾を開業した年に特に苦労するのが集客です。いくら素晴らしい教材や指導法があっても生徒が集まらないことにはそれらを活かせません。
塾業界ではなくても、マーケティングで集客したり売上を上げた経験は塾にも活かすことが可能です。
また最近は保護者同士の口コミだけでは集客出来ない塾が増えてきました。ホームページやSNS、オンライン広告などを活用したWEB集客の経験があれば大きなアドバンテージになります。
塾はWEB集客について遅れているところが多く、大手塾も含めて上手く活用できていないからです。
スキル・経験が無いと開業出来ないのか？
心構えはわかりました。でも、指導実績もないし、マーケティングの経験もないのですが、、、
開業しても上手くいかないのでしょうか？
もちろん、この２つが無くても成功している人はいます。方向性としては大きく２つあります。
実際に開業しながらスキルアップしていく
開業時から完ぺきな人は多くありませんので、開業してから少しずつ経験を積んでいくという考え方もあります。
スキルや経験を身につけ、自信をもってから開業しようと思うといつになるか分かりません。机上で学んだり考えたりするより、実際に経験してそこから学ぶ方が効率的な場合もあります。
外部の力を借りながら開業する
塾業界の経験が無い方はフランチャイズなどの形で塾を始める方もいます。
フランチャイズだと教材や指導法がセットになって提供されていたり、教室運営のノウハウも持っています。また、悩んだときに相談に乗ってくれるというのも塾の経営者にはありがたい内容です。
しかし、加盟金や毎月のロイヤリティの支払いがあるなどフランチャイズにもメリット・デメリットがあります。
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