起業・副業などでホームページを作りたいと思って相場を調べてみると、会社によって金額が大きく違うことに気づくのではないでしょうか。
制作会社によって料金が違うのも理由があります。その理由の一つは、制作費用の多くは人件費だからです。専門性が高く、クオリティが高い制作実績を持つ会社は、それに見合った高い金額を設定していますし、自分たちのサービスを多くの人に届けたいと思っている会社は、金額も手ごろにしています。
現在はホームページ作成に専門知識が無くても自分で安く簡単にホームページを作成することができます。
また、ホームページ作成に関して金額が提示されていると思いますが、多くは「ホームページのコンテンツ(文章や画像)」の制作は含まれていません。
そして、ホームページを作ったら、必ず運用費用がかかります。ですので、単純に制作会社が提示している金額だけを見るのではなく、全体のコストを計算した上で検討することが必要です。
ホームページ作成を依頼する、もしくは自分で作る場合に一番最初にしなければならないのが、「ホームページの目的を明確にする」ことです。この目的によって、ホームページ作成の金額も変わってきます。
この記事では、ホームページ作成を依頼する際の目的別トータル費用と、なぜその費用になるのかという仕組みをご紹介します。
本当の相場を知るために、まずはなぜ目的を最初に考えないといけかいかについて説明します。目的によっても相場が変わるからです。
その後、ホームページ作成の流れを説明した後に、相場についてお伝えいたします。
ホームページ作成前に目的を明確にすることが大事
ホームページ作成前に「目的」を明確にすることが非常に大事です。
みんなホームページを作っているからとりあえず作ろう、という方がいらっしゃいます。そのような方は、作った後に自分のページにアクセスされずに困ってしまうというケースを良く見かけます。目的を明確にした方が良い理由は3つあります。
ホームページのコンテンツやデザインが変わるから
まずは、目的を明確にするとホームページのコンテンツ(文章や画像)、デザインが変わるからです。
例えば、これから自分のカフェをオープンさせようとします。ホームページの目的を「名刺代わりに使いたい」と「集客に使いたい」と2つの目的があったとします。その場合、ホームページにどのような文章を載せたら良いでしょうか?
目的によって、文章を書く視点が違います
カフェのオープンにあたって名刺代わりにホームページを作りたい場合、基本的には自分の伝えたいことを書けば良いです。もちろん、カフェの場所や営業時間など最低限必要な情報の記載は必要です。
集客を目的とした場合、ホームページを見た人が「このカフェに行きたい」と思ってもらう必要があります。他のカフェと何が違うのか?行けばどのようなメリットが顧客にあるのか?など、来てもらうためのコピーライティングやデザインが必要になってきます。
このように目的無く作ってしまうと、自分の伝えたいことだけを記載してしまうため、集客につながる可能性が低くなってしまいます。
ホームページの活用方法が変わるから
最近流行っているスイーツの店をオープンしたいので集客に取組みたいという状況で、ターゲットは流行に敏感な10代、20代の若者だとしましょう。
その際、そもそもホームページを作らない、という選択肢もあります。10代、20代の世代は、そもそもホームページを見ずにSNSを活用して情報発信や収集をしている傾向が強いです。ターゲットとしている顧客層が、そもそも見ない媒体を使うよりは、SNS活用に力を入れた方が良いでしょう。
ホームページを作成するとすれば、店舗に来られない顧客に向けて販売するためにECサイトに特化する、という活用方法も考えられますし、SNSだと伝えられない商品の魅力や、経営理念などじっくり読んで伝えない内容を掲載する、という方法あると思います。
目的を明確にし、その目的はホームページ作成によって達成できるか?と考えると、ホームページを作らいという選択肢もありますし、作ったとしても制作コストや運用するためのエネルギーを下げた方が良い、ということが明確になるのです。
改善できるポイントが明確になるから
商品やサービスを販売していて、何となくホームページを作ってしまった後に、売上を伸ばそうとホームページを改善しようと思ったとします。その際にはその方の主観で変更してみても売上はさほど変わらない、もしくは制作会社に相談したら大幅な修正が必要だと分かった、というケースが見受けられます。
これはなぜかというと、目的を持ってホームページを作成するということは、ホームページの文章やデザインに「仮説がある」ということになります。読者からこう思われたい、こういう行動をとって欲しいから、このようなキャッチコピーにしよう、とかこのような動線でページを設計しよう、などです。
仮説が無いと検証もできず、どう改善したら良いか分かりませんよね。
ホームページのアクセス数を増やしたい、集客したいと思われている方は、目的の明確化とともにマーケティング視点での検討が大事となります。詳しくは ↓ こちらをご覧下さい。
2 ホームページ作成の流れとコスト構造
目的を持つことの重要性をお分かり頂けたら、本当の相場を知るために、そもそもホームページはどのような流れで作られるのかをご紹介します。
その流れの中でそれぞれコストがかかりますので、流れを理解した上で相場をご紹介いたします。
ここでは、数ページある企業サイトの作成を想定しています。
ホームページ制作の流れ
ざっくりとした流れは下記のようになります。
① 目的を決める
② 掲載したい内容を検討する
③ 掲載する文章・画像を作成する
④ ホームページをデザインする
⑤ ホームページを開発(コーディング)する
⑥ ホームページの完成
⑦ ホームページを運用する
②の掲載したい内容についてですが、こちらは目的によって作業の深さが変わってきます。
名刺代わりに作りたいという目的であれば自分で掲載したい内容を考えれば大丈夫です。ただ、ホームページへのアクセス数を増やしたい方や集客を目的にしたい場合は、下の点の検討も必要です。
- ターゲットを決める
- ターゲットの行動を分析し、ホームページの活用方法を検討
- ターゲットの行動を分析し、ホームページの構成・動線・内容を検討
正直、ターゲットの行動を分析して、それをホームページ作成に活かしている制作会社は限られています。ですが、目的達成のためにはターゲットの行動分析も重要な点です。
ターゲットの設定から事業コンセプトの作り方については ↓ こちらを参考にして下さい。
ホームページ制作で提示されているコストの内容は④ホームページをデザインする、⑤ホームページを開発(コーディング)するという2項目であるケースがほとんどです。
コスト構造
最初に、ホームページ制作会社によって金額に幅があるという話をお伝えしました。それについてもう少し詳しくご紹介いたします。
会社によって金額が違う理由は、以下の2点です。
① ホームページ作成の主な費用は人件費
冒頭にもお伝えしましたが、ホームページの主な費用は人件費であり、人件費はそれぞれの制作会社が決めるものですので、価格に幅が出てきます。
専門性が高く、クオリティが高い制作実績を持つ会社は、それに見合った高い金額を設定していますし、自分たちのサービスを多くの人に届けたいと思っている会社は、金額も手ごろにしています。
② 中規模以上の制作会社は業務分担により多くの人が関わる
上記の人件費に関わることですが、会社の規模が大きくなると様々な役割の人が制作に関わります。多くの人が関われば、それだけ良いアイデアも生まれやすいので、自分の納得できるホームページが出来やすくなる点は良いことです。しかしその分、価格に反映されてしまいます。
主な登場人物は下記になります。
- 営業担当(問い合わせから契約まで)
- デザイン担当(デザインの方向性を決める人、作業する人と別れる場合もある)
- コーディング担当(ページごとに担当者を分ける場合もある)
- マネジメント担当(契約後からの顧客の窓口となり全体を管理)
ホームページ作成を依頼した後、どんな内容にしたいかは営業担当者に伝えます。その営業担当者がマネジメント担当に内容を伝え、マネジメント担当がデザイン担当に伝える、というように、社内共有に時間を取られます。
また、マネジメント担当はホームページ作成の作業自体には関わりませんので、追加コストになるとも考えられます。
ホームページに関わらず、システム開発全般にあることですが、依頼主が営業担当に伝えたことが、デザイン担当やコーディング担当に伝わっていなかったり、作業が進むうちに営業担当が言っていることと、デザイン担当の言うこと違ったりしてトラブルになるケースがあります。
そのためにマネジメント担当を置いて、プロジェクト全体を管理するため、その分のコストがかかる、というのが実情です。
目的別、ホームページ作成の「本当の」相場
それでは、ホームページ作成にあたって、目的別の本当の相場をお伝えします。
まず、ホームページ作成には初期費用と運用費用と2種類あります。ホームページ完成までは初期費用、完成後は運用費用です。
次に目的別の相場をご紹介します。
<コストを抑えたい>
- 掲載したい内容の検討 0円
- 掲載する文章・画像の作成 0円
- デザイン、コーディング 無料~10万円
<名刺代わり>
- 掲載したい内容の検討 0円
- 掲載する文章の作成 5円×3000字×5ページ 2.5万円
- 掲載する画像の作成 半日撮影 3~5万円
- デザイン、コーディング 10~50万円
こちらの場合は、掲載したい内容は自分で考える必要があります。依頼側がある程度内容を決めたものをホームページ制作会社がその指示通りに作成する、というイメージです。
文章・画像の作成は、その専門の会社に依頼した場合の金額を記載しています。文章の作成については、専門性が高くなかったり、インターネット調査が不要な場合を想定しています。自分で文章や画像は作成できる場合は、その金額を除いた金額で検討して下さい。
<web版のパンフレット>
- 掲載したい内容の検討 デザイン・コーディングに含む
- 掲載する文章の作成 3~10万円×5ページ 15~50万円
- 掲載する画像の作成 一日撮影 8~10万円
- デザイン、コーディング 50~100万円
この目的以降は、制作会社に相談しながら掲載したい内容を決めていけます。
文章も、自社の魅力がどう伝わるかを考えて作成するので、文書作成の単価もあがってきます。また商品やサービスが魅力的に表現できるような画像も必要です。
<集客、ブランディング>
- 掲載したい内容の検討
- 掲載する文章の作成
- 掲載する画像の作成
- デザイン、コーディング
ここからは、初期費用はまとめた金額となります。集客やブランディングのノウハウを生かしてホームページ作成を行うため、金額も高額になります。その分、しっかりと戦略を立てた上でサイト設計を行うことが多いです。
運用費用については、通常の運用とは別に集客するためのホームページの分析や、その対策を打つため、運用費用も上がります。
<コンテンツマーケティング>
- 掲載したい内容の検討
- 掲載する文章の作成
- 掲載する画像の作成
- デザイン、コーディング
コンテンツマーケティングとは、簡単に言ってしまうとコンテンツ(=広告ではない、価値ある情報)を使ったマーケティング活動のことです。
例えば、商品の割引をSNSで拡散させる、ではなく、商品の効果的な使い方についてSNSで拡散させることです。商品やサービスを積極的に売るためのアプローチか、有益な情報をユーザーに届けているだけなのかの違いです。ブログで情報提供することもコンテンツマーケティングの一つになります。
運用費用については、集客に関するコンサルティング費用が運用費として必要になる場合があります。
以上が目的別の相場です。制作会社によって、掲載内容まで一緒に考えてくれるか、コンテンツを作ってくれるか、運用してくれるかどうか変わってきますので、ご確認下さい。
依頼する際に注意点があります。出来れば、依頼したい内容を1社ですべて実施できるところを依頼した方が良いです。理由は2社に分けてしまうと、その分手続きや打合せが2倍になってしまい、時間とコストが余計にかかってしまいます。
価格より大事なこと
今までのポイントをまとめると、下記のようになります。
- ホームページを作る前に目的を明確にすること
- ホームページ作成には、コンテンツ(文章・画像)を作成する費用と、デザイン・コーディングをする費用、運用費用がかかること
- そのために、どの制作会社がどこまで実施できるかを確認した方が良いこと
- 目的別の作成費用相場に応じて検討すること
ホームページを作成する上では、知って頂きたい大事なポイントです。
ホームページ制作会社を選ぶ上で価格も非常に大事ですが、それよりも大事なポイントは、「依頼主がやりたいことを深く知ろうという姿勢があるか」です。
特にデザインに自信がある会社は、依頼主の希望より、自分のデザインを優先さることもしばしばあります。それが依頼主のためになっていれば良いのですが、そうでなければ制作会社のために依頼主がお金を払っているようなものです。
価格に関して以外にも、ホームページ制作会社を選ぶポイントがありますので、こちらの記事もご参考下さい。