学習塾の【生徒数を増やす】保護者アンケートのやり方は?専門家が具体事例で解説

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口コミを広げるために学習塾に在籍している保護者にアンケートを取ろうと思っています。初めてなので、何をどう聞けばよいか分かりません。また、どういうことに気を付けたら良いでしょうか?

普段の会話で保護者の方と子どもについて話をすることがあっても、塾についてどう思っているか聞くことはあまり無いと思います。

 

また、口コミを広げてくれるのは保護者ですので、アンケートを使って保護者の気持ちを理解することは非常に重要です。

 

そして、その結果を活用して自塾の生徒数を増やすことも可能です。筆者は数十の塾で保護者アンケートを実施し生徒数を増やした経験がありますので、これは断言できます。

 

一般の企業は「顧客満足度調査」とよばれるアンケートを自社の顧客に行い、その結果をもとに商品やサービスを改良して売上を増加させています。

 

一方、塾業界で顧客満足度調査を行っている学習塾は大手の一部ぐらいで、ほとんどの学習塾は実施していませんし、実施していたとしてもそれを生徒増に結びつけられていません。

 

従って、中小の塾にとって保護者アンケートを実施することは、生徒数を増やす大きなチャンスになります。

 

この記事では、効果的な保護者アンケートのやり方、アンケートの具体例の紹介とテンプレートのダウンロード、アンケート結果からどのようなことが分かるのか、それをどう生かして生徒数の増加につなげていくのかについてご紹介します。

  • 保護者アンケートを生徒募集に活かす最も大事なこと
  • 学習塾の保護者アンケートの取り方
  • 保護者アンケートの結果から生徒募集へ活かす方法
  保護者アンケートの結果から生徒募集へ活かす方法
  1.  保護者のニーズを知って、チラシ、ホームページや広告に反映させる
  2.  自塾の強みや特徴を知って、他塾との差別化を明確にする
  3.  保護者の満足度を知って、数字をアピールする
  4.  口コミを広げてくれそうな保護者を把握し、友人に塾を勧めるよう声をかける
  5.  自塾の課題や保護者からの不満点を知って、塾運営を改善する
  • 元公文社員、学習塾業界の経験が18年
  • 生徒数2倍、ホームページアクセス数2.3倍など実績多数
  • コンサルティングや関わった塾は300件以上
  • 経済産業省、ドリームゲート認定アドバイザー

保護者アンケートを生徒募集に活かす最も大事なこと

保護者アンケートを生徒募集に活かすために最も大事なことは、

 

アンケート結果を定量化し、毎年・毎回の数字を比較して改善を続けていくこと

 

です。

 

例えば、「今の塾に満足していますか?」との質問に70%の保護者が満足していたとします。そして来年のアンケートでは、その満足度が80%、その次の年が90%になるように改善していくことが大事です。

 

一度だけの結果で一喜一憂するのではなく、満足していない不満を抱える保護者のアンケートからその理由を探り、出来ることから改善していくことが大事になります

保護者アンケートは塾の成績表として活用していくということですね

その通りです。アンケートを実施すると出来ていること、出来ていないことが数字になって分かりますので、良いところは維持、向上させ、悪いところは改善していきましょう。

学習塾の保護者アンケートの取り方

ネットを活用すれば、業務が効率化

アンケートを紙で実施すると、保護者から紙を回収し、その紙をパソコンにデータ入力する、という手間がかかります。

 

また、アンケートの回収の際も保護者から学習塾へ郵送してもらうとお金もかかりますし、生徒から提出してもらうと、生徒が塾に渡さないケースもあり回収率が下がってしまいます。

 

今はインターネットでアンケートも簡単に出来るようになりました。

 

Googleフォームという無料のツールを使えば、アンケート作成も回収も簡単に出来ます。

こちらのフォームでアンケートを作成し、保護者にリンクを送れば、スマホでもアンケートに回答できますので、保護者の使い勝手も良いです。

 

保護者はアンケートフォームに入力して送信ボタンを押すだけですので、お金もかかりません。

 

送信されたデータは、自動で一覧表にまとめられますので、データ入力の必要もありません。

 

保護者へどうやってアンケートのリンクを送るかですが、既に保護者にメールやLINEで案内しているのであれば、そこでリンクを送ります。

 

保護者への案内を紙で行っている場合は、QRコードを作成し、その紙にQRコードを掲載すれば良いです。QRコードも無料で作成できます。

全てオンラインでアンケートできるんですね。それだったら手間が減って簡単そう!

以前、紙でアンケートをやっていたが大変だった、という方はインターネットを使って試してみて下さい。思っている以上に手間がかかりません。

回収率の上げ方

せっかくアンケートを実施するなら、多くの保護者からの回答が欲しいですよね。回収率をあげるコツをいくつかご紹介します。

アンケートを依頼する文章の中に、アンケートの目的が「保護者、生徒のため」ということを明記して下さい。

 

目的が分からないと、「このアンケートって何に使われるの?」と保護者は不安に思います。

 

今後のお子様の指導に活かす、とか保護者の方の希望に応じたコミュニケーションを取る、など目的を明確にすることが大事です。

保護者の方も仕事や家事、育児で忙しい日々を送っています。

 

忙しい中でアンケートを答えてもらうために、「このアンケートは〇分」かかります、と明記しておくと、「今は出来ないけど、〇分ぐらいだったら食器を洗ったあとに少しやろうかな」と空き時間を活用してやってくれることが多いです。

アンケートが7~8問しかなくても、全てが自由に記述する質問だと、保護者はパッと見てアンケートを閉じてしまうかもしれません。

 

人間は一から考えるより、選択肢の中から選んだ方が労力はかかりません。

 

自由に書く質問は最小限にし、選択肢のある質問を増やしましょう。

回答してもらったご家庭には、文房具、図書カード、Amazonギフトカードなどなんらかプレゼントすると回収率が高まります。

 

これは費用がかかるので、どうしても回収率を高めたい、アンケートの質問項目が多くて保護者が回答するのが大変そうだ、という場合に実施しても良いかもしれません。

アンケートに回答しようと思っても、保護者が忙しかったりバタバタしていたら忘れるものです。

 

締め切りの一週間前ぐらいに再度アンケートの案内をすると回収率が高まります。

ちょっとした工夫で回収率が上がりますので、試してみて下さい。

それでは実際にどういう質問をすれば良いか、について次からご紹介いたします。

生徒募集に活かす質問の仕方

子どもの様子

保護者が自塾に通っている我が子のことをどう思っているか、という質問です。
入塾前にどのような成果を期待されていましたか。(複数回答可)
1.学習習慣がつく
2.集中力が身につく
3.基礎学力の向上
4.学校の成績向上
5.自信がつく
6.学習に対する積極性

例えば、「学習習慣がつく」という割合が一番高ければ、チラシやホームページに「自分の机で1日10分でも良いから座って勉強して欲しいと思っている保護者の方」など、学習習慣に関するキャッチコピーや文言を入れると、見てくれる保護者は増えるでしょう。

 

ここで注意が必要な点があります。それは、アンケートの規模が20~30ぐらいだと、この形式は数が少なくて正しい判断ができにくくなります。

 

その場合、質問の形式として次のような形もあります。

入前にどのような成果を期待されていましたか。
(それぞれ一つを選択)
全くそう思わない そう思わない どちらともいえない そう思う とてもそう思う
1.学習習慣がつく
2.集中力が身につく
3.基礎学力の向上
4.学校の成績向上
5.自信がつく
6.学習に対する積極性

上記の場合、一つ一つの項目について意見を聞いているので、より正確な情報を得ることが出来ます。

 

質問ごとに、数字の平均値を出してあげると、どの質問のニーズが高いかが分かります。

 

人数が少ない場合に限らず、詳しく情報が知りたい場合にはこちらの形式の方が良いかもしれません。

自塾の強みや特徴

先ほど質問したニーズのなかで、「期待以上にお子様の成長を感じた」と聞くと、自塾の強みや特徴が見えてきます。

入塾前に期待していた以上にお子様の成長を感じられたものは何ですか?(複数回答可)
1.学習習慣がつく
2.集中力が身につく
3.基礎学力の向上
4.学校の成績向上
5.自信がつく
6.学習に対する積極性

これは事前に想定していなかったけど、子どもに大きな変化があり嬉しかった、という保護者の気持ちを現したものです。

 

「自信がつく」が最も多ければ、成績が悪くて塾に行かせたけど、成績があがっただけでなく自身がついて何事にも積極的なった、のようは変化が見られているということです。

 

ホームページやチラシなどで、このような「他塾との違い」をアピールすることで、自塾の良さが地域の保護者に伝わり、入会につながってくるのです。

 

従って、ニーズや強みを聞く「選択肢」を何にするかは、塾内でじっくり検討する必要があります。

保護者の満足度

満足度は直接的に質問してみましょう。
〇〇塾に通われていて満足していますか?
1.満足していない
2.あまり満足していない
3.どちらともいえない
4.やや満足している
5.満足している

その後に、フリーコメントで、「その理由を教えて下さい」と必ず聞きましょう。

 

そうすれば、満足している理由、つまり保護者が塾をなぜ良いと評価しているかが分かります。それは前項の塾の強みにもつながってきます。

 

ここで良いコメントがあれば、そのコメントの内容をチラシやホームページに載せることで、自塾の良さの納得性も高まるでしょう。

 

もし、「やや満足している」「満足している」割合が全体の80%以上であれば、「保護者満足度〇%」というように、ホームページやチラシで塾の良さを具体的に伝えることが出来ます。

保護者の不安、不満

同じ質問で、保護者の不安、不満なども知ることが出来ます。

 

「あまり満足していない」「満足していない」に記載があり、フリーコメントで理由が書いてあれば、自塾の改善するポイントが分かり、次に活かすことが出来ます。

 

この改善点を知ることが、保護者アンケートの肝になります。

 

そして、ここでのポイントは、アンケートの後に満足していな保護者と連絡を取る、ということです。

えっ!?不満を持っている保護者と話すんですか?

保護者の気持ちを考えてみて下さい。

 

普段、塾に対して不満がありましたがそれを伝える機会はありませんでした。

そして、アンケートに記載することで気持ち的には少し不満は改善されたと思います。

 

しかし、アンケートの内容を塾のスタッフはちゃんと読んでくれているのか?改善してくれるのか?という新たな不安が生まれます。

 

そこで電話や面談なので直接、保護者と話すことが大事なんです。

保護者とお話する際は、アンケートの回答への感謝から始まり、満足頂いていない状況を詫びながら、保護者の気持ちをまずは聞いてあげて下さい。

保護者としては話をきちんと聞いてくれている、それを改善しようとしてくれている、という塾側の姿勢が伝われば、塾に対してそれ以上求めることはありません。

 

この不満を放置しておくと、逆に塾への信頼が下がりますので注意して下さい。

 

従って、保護者アンケートは学期ごとなどの定期的な保護者との面談前に行うと、保護者との関係構築という面でも、業務効率という面でも良いと思います。

口コミしてくれそうかどうか

口コミしてくれそうか、については「友達に勧めたいか」を聞けば分かります。
〇〇塾を友人に勧めたいと思いますか(一つだけを選択)
1.全くそう思わない
2.そう思わない
3.どちらでもない
4.そう思う
5.全くそう思う

「そう思う」「全くそう思う」と回答した保護者は塾への信頼が厚い方々です。この人数と割合を増やすよう、このアンケートをもとに改善していきましょう。

 

また、「全くそう思う」と回答した保護者は、アンケートの後に実際に友人に勧めてくれるケースもあります。

 

日常から「我が子が通っている塾が良いか悪いか」を考えている保護者は少なく、良いと思っていても、友人に勧めて良いのか?と疑問に持つ保護者もいらっしゃいます。

「全くそう思う」と回答した保護者には、夏期講習などキャンペーンの前に、「お友達にもご紹介して下さい、友達もいるとお互いに励みになりますよ」と伝えると、本当に何人か紹介してくれることがあります。

塾側の一つの声掛けで保護者の行動も変わりますので、試してみて下さい。

コミュニケーション方法とタイミング

このコミュニケーションとは、学期ごとの面談というよりは、日常の子どもの学習の様子を保護者に伝える、というコミュニケーションです。
お子様の普段の学習の様子を保護者の方にお伝えする際に、確認しやすい方法を教えて下さい。
1.LINE
2.メール
3.どちら3.電話ない

加えて、「もし電話をご希望の場合、通話をご希望の曜日と日時を教えて下さい」と聞いてみましょう。

 

コミュニケーションの手段としては、LINE、メール、電話だと思います。電話の場合は保護者の都合の良い時間を聞いて、業務を効率的に進めましょう。

退塾理由の多い項目について

これは塾によって違うと思いますが、同じ理由で退塾している傾向にあれば、その内容について突っ込んだ質問をしてみると良いです。

 

例えば、成績が上がらずに退塾する場合が多い時です。

お子様の学校の成績について満足されていますか?(一つだけを選択)
1.全くそう思わない
2.そう思わない
3.どちらでもない
4.そう思う
5.全くそう思う
「1.全くそう思わない」「2.そう思わない」と回答した方にお聞きします。
その理由は何だと思われますか?(複数選択可)
1.子どもの意欲が無い
2.子どもに学習習慣がついていない
3.学年があがり授業が難しくなってきた
4.部活・習い事との両立が難しい
5.基礎学力が足りない
6.塾の授業の効果を感じない
7.その他(自由にご記入下さい)

まずは成績に満足しているかどうか、退会理由の対象かどうかを聞いた上で、その理由を明らかにします。

 

保護者が感じている理由をもとに、成績をあげるにはどうしたらよいか?ということを子供も含めて3者で話すことも大事なポイントです。

4 まとめ

保護者アンケートを実施すると、生徒募集に下記のように使えることをご紹介してきました。
  • 保護者のニーズを知って、ホームページや広告に反映させる
  • 自塾の強みや特徴を知って、他塾との差別化を明確にする
  • 保護者の満足度を知って、数字をアピールする
  • 口コミを広げてくれそうな保護者を把握し、友人に塾を勧めるよう声をかける
  • 塾の課題や保護者からの不満点を知って、塾運営を改善する

保護者アンケートのテンプレート

アンケートを一から作るのは難しい方のために、アンケートのテンプレートをこちらからダウンロードできます。(File03:生徒数を増やすための保護者アンケート・テンプレート)

 

ぜひこちらを活用して、口コミ増加につなげて下さい。

 

また、アンケートを作ることは簡単そうに見えますが、実は専門知識や経験が必要な部分があります。質問の内容をどんな文章にするか?はもちろんのこと、選択肢の数や選択肢の差をどうつけるかなど、ポイントがいくつかあります。

 

もし、テンプレートを使ってもうまくアンケートが出来ない、結果をどう活用したら良いか分からないなどありましたらこちらよりお問い合わせ下さい。

 

筆者は日本各地で保護者、子どもだけでなく、他業種のアンケートも含めた実施経験がありますのでお役に立てるのではないかと思います。

目次

”生徒を増やしたい”と思ったときにやるべき

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