今自塾に通っている生徒は入塾前に比べて成績はあがっているし、地元の高校の合格実績もそれなりあります。しかし保護者の口コミも起きずに、なかなか生徒数が増えません。どうしたら自塾の生徒数が増えるのでしょうか?
筆者は大手から個人を含め300ほどの塾との接点がありましたが、来ている生徒の学力は伸びているのに、生徒数がなかなか増えない塾は意外と多いんです。
「どうしたら生徒が増えるのか?」について方法はいくつかあるのですが、生徒が伸びているのに生徒数が増えない塾で最も改善した方が良い点は、自塾が保護者からどう見えているかという「保護者の視点」を持つことです。
この記事では、大切なお子さんを塾に預ける保護者の気持ちを知り、学習塾の生徒が増えるための4つのステップをご紹介します。
- この記事で分かること
- 学習塾の生徒が増えるには、保護者の視点で教室運営が必要
- 学習塾の生徒が増える4つのステップ
- サマリー
- アンケート調査で保護者の気持ちを知る
- 保護者とのコミュニケーション方法、頻度を修正する
- 生徒募集方法は変えずに、生徒募集コンテンツの中身を修正する
- 課題になった点は真摯に受け止め、改善する
- この記事の信頼性(筆者プロフィール)
- 元公文社員、学習塾業界の経験が18年
- 生徒数2倍、ホームページアクセス数2.3倍など実績多数
- コンサルティングや関わった塾は300件以上
- 経済産業省、ドリームゲート認定アドバイザー
学習塾の生徒が増えるには、保護者の視点での教室運営が必要
口コミを起こすのは誰か??
塾などの子ども向けの業界は、サービスを提供される人と、口コミを広げる人が違います。そうです、子どもがサービスを提供され、口コミを広げるのは保護者です。
もちろん、子どもが塾に行くのが楽しくて友達に伝える場合もありますが、口コミの多くは保護者から広がります。従って、保護者目線で塾運営を考えることが大事なポイントになります。
それは分かっているけど、どうしても授業の方に時間とエネルギーをかけてしまうんですよね。。。
ここでは、今までの保護者とのコミュニケーションの仕方や内容、生徒募集方法の中身、塾運営のやり方を見直しましょうというお話です。
現代の保護者が塾に求めているもの
- 保護者は自分の子どもをしっかり見て欲しい
日本経済新聞が学習・進学塾の業界についてレポートした記事があります。
最近の学習塾のトレンドでは、
近年は子どもの学び方や学ぶ目的が多様化していることを背景に、個別指導型の学習塾を手掛ける企業が業績を伸ばす傾向にある。
と、まとめられています。
もちろんコロナの影響もありますが、一斉授業の学校と違って、せっかくお金を払って塾に行っているんだから、「自分の子どもをしっかり見て欲しい」というニーズが高まっているようです。
ここ数年は集団授業だけだった中小の塾も、個別授業を取り入れている塾が増えているのは皆さんがご存じの通りです。
- 退塾理由は「成績向上」より「報告頻度」
Comiruが退塾した小中学生の子どもを持つ保護者200人を対象に行った調査によると、下のグラフのように、4割以上が「指導内容・塾での様子、苦手なところの報告頻度」に不満と回答しました。
これは、「学力・成績の向上」に不満を感じている人よりも多く、保護者とのコミュニケーション不足が退塾につながる要因になるという結果でした。
「メールで毎回報告が来るけど、毎回評価もコメントも同じ。そんなはずないので、良くも悪くもマニュアル通り」「面談はあるが良いことしか言わず、先の成績アップが見えない」などのコメントもありました。
確かに、学期ごとに保護者面談をしていますが、成績上がっていない生徒に、この先どうしたら良いかまでは具体的に伝えて無い気がします。。。
保護者の視点と言っても様々ありますので、次からは保護者の視点を踏まえた生徒が増える4つのステップをご紹介します。
学習塾の生徒が増える4つのステップ
【ステップ1】アンケート調査で地域の保護者の気持ちを知る
まずは自塾の地域の保護者の気持ちを知ることが最初のステップです。
先ほどご紹介した保護者アンケートは、あくまで全国の保護者の調査結果でした。全国の傾向と、自塾の地域の傾向は必ずしも同じ訳ではありませんので、今来てもらっている保護者にアンケート調査を実施してみましょう。
アンケートで確認したい主な内容は下記になります。
- 入塾以前の塾への期待
そもそも塾へはどのような理由で入ったか、という質問です。これは入塾前にはどのようなことで困っているのか、子ども何を良くしたいのか、を把握する目的です。
例えば、次のような項目が考えられます。
- 学習習慣がつく
- 集中力が身につく
- 基礎学力の向上
- 学校の成績向上
- 自信がつく
- 学習に対する積極性
- 実際に塾に入ってどうだったか?
そして、その期待は塾に入って解消されたか、されていないかを把握することも必要です。
解消されていなければ、それを解消する必要があります。
良くあるケースは、塾側は解消されたと思っているのに、保護者は解消されていないと思っている点です。
- カリキュラムについての満足度
先ほどのComiruの調査では、塾選びの際に重視する項目として2番目に高かったのは、「子どもに合うカリキュラムがある(58.3%)」という結果が出ています。
例えば、クラスの平均点を取れない子どもを持つ保護者にとっては、学習塾に行って授業についていけるかなど心配していることも多いでしょう。
単純に塾に対する全体的な満足度を聞くより、もう少し細分化して満足度を聞いてみると、想定外に良かったこと、悪かったことが明確になります。
- 講師に対する満足度
保護者の方は、子どもと講師の相性は良いか?質問しやすい講師か?など講師に対する関心は非常に高いです。
聞いた方が良いのは分かりますが、自分が評価されるのはちょっと怖いですね、、、
そのような方がほとんどだと思いますが、まず一度やってみてそれを最低ラインと設定します。その最低ラインより超えるように塾内で意識してコミュニケーションを取るという意識が大事になります。
- 友人に勧めたいか
「塾自体には満足している」と、「友達に勧めたい」とでは、塾に対する信頼度の次元が違います。「勧めたい」と思わないと口コミにもつながりません。
友人に勧めたいかとの質問に、5段階の回答を提示したとします。
- 勧めたい
- やや勧めたい
どちらでもない
- あまり勧めたくない
- 勧めたくない
「勧めたい」と回答している方は、塾への信頼度が高いです。この割合を増やすことが生徒増につながります。
「やや勧めたい」は、塾には普段からお世話になっているから良い側の回答をしていますが、何等の不満がある保護者です。保護者は満足しているのに、なぜ生徒が増えないだろうと感じている塾は、この層が多い傾向にあります。
この質問は口コミが生まれるかの指標になるので、必ずアンケートで聞いていきましょう。
- コミュニケーション方法とタイミング
前半部分にもお伝えしましたが、保護者とのコミュニケーションについては退塾防止だけでなく、口コミを広げる上で重要な要素です。
筆者は様々な地域で、コミュニケーションについて保護者にアンケートを取りましたが、コミュニケーションの方法だけでも地域によって「メール」「LINE」「電話」と希望する手段が違います。
共働きが多い地域であれば「メール」や「LINE」が良い人が多く、一方で電話が良い人が多い地域もありますので、それぞれの保護者にとって何の手段が快適なのかを知りましょう。
また電話であれば、「この時間だと電話しやすい」という曜日や時間を聞いておくと、塾側も気を遣うことなく電話が出来ます。
以上のような項目をアンケートで確認していくと、思ってもいないところで自塾が評価されていたり、逆に出来ていると思っていたことが保護者にとっては満足していないことが分かります。
まず保護者の気持ちを知ることが大事ですので、保護者アンケートを実施して頂けたらと思います。
【ステップ2】保護者とのコミュニケーション方法、内容を修正する
アンケートで保護者ごとに、どんな方法・時間で生徒の状況を連絡したら良いかが明らかになりました。
アンケート後には、希望の方法とタイミングで塾の様子を連絡していきましょう。
また、アンケートでその保護者の不満や不安に思っていることも分かったと思います。そういった内容を中心に学習の様子を伝えると、保護者が安心する材料となり、口コミが広がっていきます。
そして、保護者に子どもの様子を伝える際に、一つポイントがあります。
それは、子どもの様子や良かった点を「具体的に」伝えることです。
具体的とは、例えば「以前は算数の2桁の足し算で、繰り上がりがあると時間がかかって間違いも多かったけど、今日は繰り上がりがあってもパっと計算できてミスも減りました」のような内容です。
集団授業の生徒では難しいかもしれませんが、個別指導をやられている塾では具体的に褒めてあげて下さい。保護者としては、「塾ではこんなに細かいところまで見てくれているんだ」と思って喜ばれます。
筆者は、この具体的に褒めることをしてから、口コミで入会する生徒が急増しました。
【ステップ3】生徒募集方法は変えずに、生徒募集コンテンツの中身を修正する
現在、チラシやホームページなどで生徒募集を行っていると思います。
チラシの反応はいかがでしょうか?
ホームページからの問い合わせは何件ぐらいでしょうか?
チラシやホームページなど今までの生徒募集方法は変えずに、アンケートの結果を使えば中身(キャッチコピーやコンテンツ)をより良くしていけます。
- キャッチコピー
チラシに大きく「生徒募集」と載せていませんか?
塾業界では慣例になっているので違和感がないと思いますが、学習塾が生徒を募集していることは、大きくアピールしなくても皆さんご存じです。
これはスーパーのチラシに、「お客様募集」と大きく載せていることと同じなんです。
チラシやホームページに大きく載せるべきことは何かというと、
塾に入ることで「子どもに何のメリットがあるか?」になります。
保護者アンケートでは、塾に通うことによって生徒がどのように成長したのかも知ることが出来ます。保護者アンケートをきっかけにキャッチコピーを見直してみて下さい。
詳しいキャッチコピーの付け方は、こちらの記事を参考にして下さい。
- 自塾の特徴や強み
これもキャッチコピーに関連していますが、チラシやホームページには「他塾には無い強みや特徴」を載せましょう。これもアンケートからヒントを得ることができます。
他塾と比較しても優劣の判断基準が乏しく悩んでいる保護者にとっては、強みを知ってもらうことは自塾を選んでもらえる一つのきっかけになります。
- 定量(数値)データ
「多くの保護者に満足頂いています」と
「保護者満足度90%」
どちらが説得力があるというと、「保護者満足度90%」と感じる人が多いです。
理由は「90%」のように数字を示しているからです。
アンケートで保護者満足度が高ければ、その数値も活用しましょう。
- 保護者の声
アンケートに記載してもらったフリーコメントを、そのままチラシやホームページに活用できます。
顔写真や氏名、子どもの学年など個人情報がある方が情報の信ぴょう性が増しますが、それは保護者の許可が必要ですので、可能な範囲で活用しましょう。
このように今までのチラシやホームページの内容を修正するだけで、反応率も変わってくるはずです。ぜひ試してみて下さい。
生徒募集の優先すべき効果的な方法については、こちらに詳しく解説していますので、参考にしてみて下さい。
【ステップ4】課題になった点は真摯に受け止め、改善する
最後のステップは、アンケートで明らかになった課題を真摯に受け止め、改善する、です。
現状として、「口コミで生徒が増えない」という状況でした。
増えないということは、どこかに課題があるということです。
「保護者アンケート」を通じて、その課題が明らかになることがあります。
まずは、その保護者の声を受け止めることが大事です。
それはその通りなんだけど、やっぱり出来ていないことを言われるのは嫌だな、、、要求ばかりしてくる保護者もいるし。
嫌な気持ちは良く分かりますが、中学生が受験する「全国統一中学生テスト」のようなものだと思って下さい。
どういうことですか?
普段の学校の定期テストとは別の全国試験を受けると、自分の学力は全国で、都道府県でどのレベルなのか、得意分野や苦手な分野は何なのかが客観的に分かると思います。
塾の先生であれば、結果をもとに「ここが弱いから、力を入れて一緒に頑張ろう」のような声掛けをされていませんか?
それと同じように、保護者が自塾のことを「客観的に」どう評価しているかがアンケートを通じて分かります。
出来ていないところがあるのは当然ですので、それを出来るところからコツコツ改善していくと、保護者からの評価も向上するはずです。
筆者が関わっていた塾では、毎年保護者アンケートを実施し、改善を積み重ねていくことでアンケート実施前より生徒数が倍になったところもあります。
もし保護者アンケートを実施して、「ここが弱いから、力を入れて一緒に頑張ろう」と声をかけてくれる人を探しているのであれば、こちらからご連絡お待ちしております。
その他、アンケートのやり方や活用方法も相談させて頂きます。
【無料】中小学習塾の生徒数を2倍にした実績を持つスタッフが相談
- コロナで減った生徒が戻らない
- 何が原因で生徒が増えないか分からない
- 生徒募集がマンネリ化してきている
- WEB集客したいけど、やり方が分からない