よく起業や副業を始める時にホームページを作ろうか悩んでいる方がいますが、ホームページを活用して営業し、集客につなげることが出来ると思います。
その根拠として、
- インターネットを通じて今後も購買・消費する人が増える傾向にある
- 世代ごとの特徴をつかめば、インターネットを上手く活用して営業できる
- ホームページは24時間、365日、勝手に営業してくれる
- ホームページに関するデータを蓄積すれば、より優秀な営業ツールになれる
営業が得意だ!と言い切れる人はそれほど多くないと思います。ホームページを上手く活用して起業したばかりの事業を軌道にのせたいものです。
もちろん、ホームページを使うデメリットもありますので、それも含めて詳しくご説明していきます。
ホームページを活用した営業ニーズは年々増加、起業に活用できる
インターネットを活用してビジネスを行う傾向が続いていることは何となく感覚としてあると思いますが、改めて数字で確認していきます。
市場規模は8年前の1.85倍
経済産業省が「電子商取引に関する市場調査報告書」を毎年出しています。令和3年度の報告書の中にある、国内BtoC(個人消費者向け)-EC市場規模を見るとインターネットを活用したビジネスが毎年増加していることがわかります。
個人消費者向けとして、①物販系、②サービス系、③デジタル系と3つのカテゴリーに分かれて数字を確認していきます。
①物販系
規模も増えていますし、EC化率も増加しており、インターネットを活用している規模も割合も高くなっていることが分かります。
また、特にスマホの利用が増えていることが大きな傾向です。2015年の27.4%に比べて2021年は52.2%と約2倍になっています。
②サービス系、③デジタル系
コロナの影響で、2020年は大幅に下落しています。旅行サービスなどのサービス業は特にコロナの影響を大きく受けたことが原因です。しかし、2021年は増加しており、今後も増加すると見込まれます。
サービス系の市場規模を見てみると、旅行や飲食、理美容サービスは引き続き苦戦しているものの、チケット販売やフードデリバリーが大きく規模を拡大していることがわかります。
3分野合計
3分野の合計を見ると、BtoC-ECの市場規模は20兆6,950億円となっており、8年前の2013年に比べると約1.85倍になっています。
経済産業省の報告書では、今後の予測として5Gの活用によりEC市場に大きな効果をもたらすと言っています。5Gとは、「第5世代移動通信システム」のことで、「高速大容量」「高信頼・低遅延通信」「多数同時接続」という3つの特徴があります。
物販系分野やサービス系分野においても、商品の機能、特性、使い勝手、メンテナンスの方法といった多彩できめ細かい情報を大容量の動画や VR(仮想現実)イメージなどで伝えることが可能になり、消費者への訴求力が向上すると考えられます。
このようなインフラが整えば、今後の起業の際に益々ホームページの役割が高くなると予想されます。
インターネットの利用時間は9年前に比べて平日で約2.5倍
それでは、実際にインターネットを使っている私たち個人の行動をみていきます。
総務省が「令和3年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」を出しています。
この報告書は13 歳から 69 歳までの男女 1,500 人を全国で調査したものです。その報告書では、1日あたりのテレビとインターネットの利用時間を比較すると、テレビは2013年と2021年を比べると平日・休日とも減少しているのに対して、インターネットの利用時間は平日は約2.5倍、休日は約2倍に増加しています。
(総務省データをもとに筆者が編集)
次に2021年での目的別のインターネットの利用率をみていきます。総務省のデータでは、テレビ、インターネットの他に、ラジオ、新聞、雑誌、書籍、その他の項目がありましたが、ここでは利用の割合が高い、テレビ、新聞、インターネットの3つで比較します。
〇 世の中の出来事や動きについて信頼できる情報を得る(最も利用するメディア)
(総務省データをもとに筆者が編集)
インターネットでも世の中の出来事や動きについて紹介されていますが、「信頼できる」という点でいうと、どの世代でもまだまだテレビの影響力が大きいことが分かります。
〇 趣味・娯楽に関する情報を得る(最も利用するメディア)
(総務省データをもとに筆者が編集)
趣味・娯楽では10代~50代については半数以上がインターネットを活用しています。趣味・娯楽の分野でこの世代をターゲットにして起業する場合は、インターネットやホームページの活用は有効でしょう。
〇 仕事や調べものに役立つ情報を得る(最も利用するメディア)
(総務省データをもとに筆者が編集)
どの世代もほとんどインターネットを活用しています。仕事に関する事業で起業する場合は、インターネットやホームページは必須かもしれません。
- コロナの影響で分野によって影響のある分野はあるが、今後もインターネットを活用した購買、消費は拡大していく
- 趣味・娯楽に関すること、仕事に関することについてはどの世代もインターネットを活用しているため、この分野で起業する場合はインターネットやホームページの活用が有効である
起業時のホームページの世代別、営業活動方法
インターネットの活用といっても様々な種類があります。ここではインターネットがどの世代にどの程度活用されているかをみていきます。
先ほどと同じく、総務省のデータで確認していきます。総務省の報告書ではインターネットの活用として次の項目で調査されています
- メールを読む・聞く
- ブログやウェブサイトを見る・書く
- ソーシャルメディアを見る・書く
- 動画投稿・共有サービスを見る
- VODを見る
- オンラインゲーム・ソーシャルゲームをする
動画投稿は主にYouTube、VODはネットフリックスなどの定額で映画やドラマが見放題のサービスのことです。
ホームページに関する項目は、「ブログやウェブサイトを見る・書く」だけでなく、SNSへの投稿や広告からホームページに誘導できるので、「ソーシャルメディアを見る・書く」や、YouTubeのリンクや広告からホームページに誘導できるので、「動画投稿・共有サービスを見る」の項目も大きく影響します。
2021年、年代別の平日1日に利用するメディアの時間を下にご紹介します。
(総務省データをもとに筆者が編集)
10代、20代は圧倒的に、「動画」と「SNS」でした。10代はほとんどブログやウェブサイトは見ないようです。10代はSNS中心でプロモーションも出来ますので、起業の際にホームページはいらないケースも出てきます。
詳しくは ↓ こちらで解説しています。
(総務省データをもとに筆者が編集)
30代、40代は「メール」と「ブログ・ウェブサイト」の時間が10代、20代に比べて増えています。この世代はまんべんなくメディアを使用している印象ですので、起業の際にターゲットにする場合はいくつか方法が検討できると思います。
(総務省データをもとに筆者が編集)
50代、60代は圧倒的に「メール」の時間が他より多いです。ブログやSNS、動画の利用もありますが、他の世代に比べて利用時間は少ない印象です。
今までは平日のデータでしたが、休日の利用時間のデータもあります。傾向としては、メールの利用時間は全ての世代で下がっていますが、他のメディアは休日の方が長くなっており、傾向としては平日と変わりありません。
- 10代、20代はSNSや動画サービスでのPR、加えてSNSや動画サービスからホームページへ誘導によっても自社の商品・サービスのPRが可能。
- 30代、40代はSNSや動画に加えて、ブログやオンライン広告から自社の商品・サービスのPRが可能。
- 50代、60代はメルマガを活用し、ホームページへ誘導し自社の商品・サービスのPRが可能。
ホームページは起業直後でも24時間いつでも営業できる
下のグラフは全ての世代での平日のインターネットを利用する時間の割合です。皆さんも普段の生活をイメージしたらお分かりかと思いますが、ピークは20時~24時の間です。夜にソファでくつろぎながら、スマホをいじっている感じでしょうか。そして昼休み時間が次に高く、朝の通勤時間の7時~8時もやや高いです。
(総務省データをもとに筆者が編集)
インターネットを使わない方法で営業する場合、9時~18時ぐらいの限られた時間(上記画像の赤い部分)しか営業できません。しかし、ホームページを使えば、インターネット利用のピークである20時~24時の間も営業してくれます。
それは休日も同じです。平日にSNSで投稿した内容が休日に勝手にシェアされますし、休日にもブログで検索されたり、広告をクリックしてくれます。
- ホームページは24時間、365日、勝手に働いてくれる営業ツール
ホームページ活用のメリットはデータをもとに修正出来ること
起業して、自分のホームページを作った後、ホームページに来た人がどんな人か?どのくらいホームページを見てくれたか?などのデータを蓄積することが出来ます。
もし自分のビジネスが20代、30代をターゲットにしていて、ホームページを訪問してくれた人が50代以上が多かったりすると、何等か修正する必要があること分かります。
データが蓄積することで、自分のビジネスの売上増加につながったり、サービスの改善に役立ったりします。データをもとに修正を継続していくことで、優秀な営業ツールになりえるのです。
ターゲットに向けて広告が打てる
SNSやインターネット広告を打つ際に、性別や世代、住んでいる地域や好みなどを設定することができます。チラシや新聞折込などで地域を絞れることはあっても、性別や世代、好みなどを絞ることは難しいと思います。
自分の商品やサービスのターゲットに向けて広告を打つことができるので、他の手法より効果的になる訳です。
また、チラシや新聞折込は一度印刷したら終わりですが、ホームページは一度作ってしまえば、いつでも何度でも活用できますので、コスト面でもおさえることができます。
どちらのキャッチコピーが反応が良いか分かる
商品やサービスをPRする時、キャッチコピーをつけて売り出す方も多いのではないでしょうか?このキャッチコピーを2パターン作り、その反応率の違いを検証し、どちらのコピーが良いか判断することもできます。
キャッチコピーだけでなく、商品画像の候補が複数ある場合でも、どちらの商品画像の方が反応が良いかなど、安価に、簡易に検証することができます。
これも他の営業手法には無い強みです。
ホームページの修正点が分かる
ホームページから問い合わせが少ないな、と思った際に何が原因で少ないかが分かります。
先ほどお伝えしたホームページに訪問してくれた人の世代や地域などの属性を分析して分かることがあります。加えて、ヒートマップツールというものを使い、ホームページに訪問してくれた人がどこを良く読んでいるのか、どこでページを離れたか、などが分かります。
(ヒートマップツールのイメージ)
そのデータに基づいてホームページを修正していき、問い合わせを増やすことが可能になってきます。
このように、ホームページを活用すると様々なデータが蓄積されていきますので、それを分析・改善することで優秀な営業ツールに育成することができます。
今までお話してきたことをまとめると、起業の際にホームページを使って上手く集客できることが可能だと思います。その根拠は、下記になります。
- インターネットを通じて今後も購買・消費する人が増える傾向にある
- 世代ごとの特徴をつかめば、インターネットを上手く活用して営業できる
- ホームページは24時間、365日、勝手に営業してくれる
- ホームページに関するデータを蓄積すれば、より優秀な営業ツールになれる
起業時にホームページで営業する際のデメリット
ここまでホームページを作成の良いことばかりをお伝えしてきましたが、デメリットもあります。
それは、「顧客のダイレクトな反応が分からない」ことです。
オンラインでも様々なデータを蓄積することはできますが、実際対面で消費者の反応を見ないと分からないことは多々あります。
例えば自分の発想にない商品・サービスの改善点などは、実際に消費者に聞かないと分かりません。自分のホームページやSNSを見て、改善点を教えてくれる消費者はほとんどいないと思います。アンケートなどをお願いしたら回答をもらえることもありますが、実際に会って話した方がよっぽど良い情報を得ることが出来ると思います。
従って、オンラインは活用しながら、自分のターゲットとなる消費者と実際に話す機会を積極的に持つことが大事です。その声を自分の商品・サービスに反映させたり、ホームページやオンライン広告の修正に役立てることが効果的・効率的です。