値上げすべき?塾の料金設定で検討すべき7つのポイントと授業料値上げの注意点

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食品や賃金、光熱費など色々なものが値上がりする中で、塾の会費を値上げするかどうか悩んでいます。でもどうやって決めて良いか分かりません。。。

現在は物価が高騰しており、今までのバイト代では人が集まらなかったり、光熱費が上がったりなど塾の教室運営にも大きな影響を及ぼしています。

 

世の中の流れに沿って塾の会費を上げるべきか、今通ってもらっているご家庭のためにも会費を維持すべきか料金設定に悩まれている方も多いです。

 

この記事では塾の料金設定をする際に検討すべき7つのポイントをご紹介し、結果的に値上げした場合の留意点についても解説していきます。

  • 料金設定、価格改定で検討すべき7つのポイント
  • 授業料を上げる場合に気を付けるべきこと
  • 値上げしても生徒数を増やすために
  料金設定、価格改定で検討すべき7つのポイント
  1.  保護者が学習塾に支払う金額を知る
  2.  競合の料金設定を知る
  3.  無駄な支出、削減できる支出が無いか確認する
  4.  ターゲットを確認する
  5.  追加の付加価値を付けられないか検討する
  6.  システム導入、オンライン教材導入を理由にしない
  7.  シミュレーションを行う
  • 元公文社員、学習塾業界の経験が18年
  • 生徒数2倍、ホームページアクセス数2.3倍など実績多数
  • コンサルティングや関わった塾は300件以上
  • 経済産業省、ドリームゲート認定アドバイザー

①保護者が学習塾に支払う金額を知る

まずは保護者が実際にいくら塾に支払っているのか、消費者側のデータを知りましょう。

 

文部科学省が令和3年の実施した調査によると、各学年の学習塾費は下記になります。

小学生(年額)

年齢 公立(円) 私立(円)
第1学年
31,181
171,797
第2学年
33,365
127,924
第3学年
54,172
208,636
第4学年
81,635
303,449
第5学年
125,821
433,441
第6学年
155,013
405,057
平均
81,158
273,629

中学生(年額)

年齢 公立(円) 私立(円)
第1学年
156,032
126,795
第2学年
203,859
181,436
第3学年
389,861
219,276
平均
250,196
175,435

高校生(年額)

年齢 公立(円) 私立(円)
第1学年
80,674
110,873
第2学年
107,774
179,923
第3学年
170,790
225,035
平均
120,397
171,149
ただし、この数値は全国平均となっています。 ご自身の塾の地域が全国の所得水準より低ければ、これらの金額より低い金額しか払えない可能性が高くなりますし、逆も同じです。

子どもが減っている分、1人の子どもに充てる教育費は増えている傾向にあります。

②競合の料金設定を知る

価格を考える際に、競合の価格を知っておくことは重要です。なぜなら、保護者はいくつかの塾を比較して選ぶことが多いですし、その際に授業料も決定要因になるからです。

受験塾、受験生の生徒数が多い塾の場合

自塾の合格実績 > 他塾の合格実績

 

この場合は、他塾より授業料が高く値上げしても、その影響は大きくありません。志望校合格という明確な目標がある保護者であれば、多少高くても実績のある塾を選ぶ傾向にあるからです。

 

自塾の合格実績 ≦ 他塾の合格実績

 

逆にこの場合は、他塾より授業料を高く値上げしてしまうと、その影響は大きくなります。

補習的な要素が強い塾

他塾と明確な強みがある場合、成績に関して他塾より実績が高い場合については、他塾より授業料を高く値上げしても、その影響は大きくありません。

 

理由は、授業料が多少高くなっても、保護者がその塾に行かせたい理由があるからです。

 

そうで無い場合は、値上げによって少なからず影響があると考えられます。

どの程度、他の塾と差別化できているか見直してみて下さい。

③無駄な支出、削減できる支出が無いか確認する

世の中の物価上昇によって塾の収益も落ちてきた場合、会費を上げる前に支出の中で削減できるものは無いか検討することも一つの考え方です。

 

大きくは業務効率化による残業代削減です。

業務効率化

働き方改革と言われ始めた時期に、多くの企業では1日、1週間単位で、何の仕事に何時間かかっているのか、自分の業務時間を洗い出す作業を行っていました。

 

洗い出してみると、思っていたより無駄な時間が多かったり、時間短縮できそうな業務が見つかっていくものです。

例えば毎週行っている2時間の会議では、ほとんどが情報共有が中心だったが、会議の前に事前に資料を共有して会議前に資料を読んでもらうことで、会議を30分に短縮した、などです。

また、資料作成、アイデア出し、議事録の作成などの業務だと、AIを活用して業務を効率化するなど方法もあります。

 

AIを活用した業務削減サービスはこれから更に広がりそうです。

システムの活用

塾は未だに紙の書類を使った事務作業が多い業界です。業務の一部をシステム化することで残業時間を減らしたり、授業の準備により時間を充てることも可能です。

 

システム代金と長期的な残業代削減を比べて費用が削減できるのであれば、システム導入も検討した方が良いでしょう。

④ターゲットを確認する

自塾がどんなご家庭をターゲットにしているかも考慮する必要があります。

価格の安さを差別化している場合

経済的に恵まれていない生徒でも自塾で学力をつけて欲しいとの考えで塾を経営している方も少なからずいらっしゃいます。

 

そのような場合、値上げする影響は大きくなるでしょう。

 

値上げしたとしても、他塾以下にする必要があります。

有名校の受験をターゲットにしている場合

受験塾の中でも、有名校の受験を強みにしている塾は値上げの影響は少ないです。

 

受験の中でも有名校に行かせたいと思う保護者の方が、価格が高くなっても支払う傾向にあるからです。

値上げすることは、どの保護者も嫌がりますが、どの程度だと値上げが受け入れられそうか、を実際の保護者をイメージしながら考えてみて下さい。

⑤追加の付加価値を付けられないか検討する

単純に「物価が高騰しているから値上げします」というより、何か付加価値を付けて会費を上げるのも一つの考え方です。

 

値上げをしたい場合、何か付加価値がつけられるかどうか、検討してみて下さい。

 

付加価値をどうやって付けるかについては3つの視点があります。

サービスを追加する、既存のサービスを無料にする

定期テスト対策、英検対策など今までになかったサービスを提供したり、有料で行っていたものを無料にする、という方法が考えられます。

量(時間)を増やす

自習できる時間(例えば早朝など)や曜日などを増やして、家で学習できない生徒が塾で学習できるようにする、などが考えらえます。

 

今の塾のスペースで無駄な場所が無いか確認したり、今のテナントの横などに空いている場所が無いかなど確認してみて下さい。

質を高める

講師は地元で有名な〇〇大学出身ということをアピールしたり、講師の研修を定期的に行うなど、授業の質を高くすることも考えられます。

今までとは別に、「価格の高いコースを新設する」という方法も考えられます。価格が高い分、充実したサービスを提供するという内容です。

⑥システム導入、オンライン教材導入を理由にしない

付加価値を付けると言った時に、システム導入やオンライン教材を導入しようと考える方もいますが、筆者はあまりお勧めしていません。

 

保護者の立場からすると「良く分からないシステムを入れるために授業料が上がってしまった」という印象を持つ可能性があるからです。

 

明らかに保護者にとって利便性が高いと分かる場合は別ですが、そうで無ければシステム導入やオンライン教材導入と一緒の値上げはしない方が良いです。

⑦シミュレーションを行う

今まで検討すべきポイントをお伝えしてきましたが、実際に価格を上げた場合に塾の収支がどう変化するかシミュレーションをすることも大事です。

 

その際、既存の生徒が辞めることも考慮に入れる必要があります。これは実際に値上げしないと分からない場合もありますが、1%~3%が退会してしまうという、何らかの仮定を置いてみて下さい。

細かい計算まで出来なくても、エクセルでざっくりとでも計算してみて下さい。

授業料を上げる場合に大事にしたいポイント

値上げの影響は信頼関係にもよる

既存の保護者の塾への信頼度が高ければ、授業料の値上げについては理解してくれるケースが多いです。

 

また、実績があれば、新規に入塾してくれる生徒の数にも影響は少ないでしょう。

 

信頼関係が分からない場合、保護者面談などを実施し、保護者は自塾をどう思っているのかを確認してみても良いでしょう。

事前告知

急に来月から授業料があがります、と言っても保護者は困ってしまいます。値上げする数カ月前には文書で保護者に事前告知を行いましょう。

 

値上げの影響を最小限に抑えるためには、丁寧な説明が必要です。

問い合わせ窓口を設置する

丁寧な説明の中に、問い合わせ窓口(メール)を設置することもおススメしています。値上げについて意見を聞いてそれを参考にすることが目的ではありません。

 

「値上げは仕方ないと思っているけど、一言伝えたい」と思っている保護者もいるので、言える場所を用意するといことです。

 

言える場があるだけで保護者の不満は和らぎます。

実績を改めて打ち出す

会費は上げるけど、自塾は直近でもこれだけ実績(合格者、成績向上など)あるから安心して我々にお任せください、ということを伝えて下さい。

 

今まで以上にお子様を良く指導していきます、という姿勢を見せて、少しでも保護者を安心させることが大事です。

値上げするタイミングを考える

値上げするタイミングは、新学年の4月、夏休み前後の7月、9月に値上げすることはやめましょう。

 

塾のキャンペーンのタイミングで価格を上げると、他塾に転籍してしまう可能性が高いからです。

 

例えば9月に値上げを告知して、12月から新しい会費になる、というイメージです。

値上げしても生徒数を増やすために

価格については、何が正しくて、何が間違いなのか、実際にやってみないと分からない部分もあります。

価格を下げてしまったために、生徒数が減ってしまったという経験もあるので、価格設定は難しいんです。

値上げしようかどうか迷っているけど、どうしたら良いか分からない、1人で悩んで先が見えない、などありましたらこちらまでご連絡下さい。

 

無料でご相談させて頂きます。

 

また、値上げした場合、今までと同じかそれ以上に生徒数が増えるかどうかも心配な点ではないかと思います。

 

値上げしても生徒数が増えるようなご提案もさせて頂きますので、お気軽にご連絡お待ちしております。

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