今住んでいる地域で塾を開業しようと思っていますが、そこが田舎なので子どもの数も少なく、上手く経営できるか心配です。
田舎のような子どもの少ない地方で塾を経営しようと思うと心配になる気持ちは良く分かります。少子化はまだしばらく進行しそうだし、生徒が集まるか不安ですよね。
今まで300以上の塾と関わってきましたが、人がほとんど歩いていない、車も走っていないような地域でも、数十人集まっている活気のある塾をいくつも見てきました。
塾のある地域だけではなく隣の町からも生徒が来ている状況でした。
そのような塾を訪問したり塾長とお話したところ、共通点がありました。
この記事では田舎で塾を経営するメリット・デメリットをご紹介した上で、田舎でも塾の生徒数を増やすポイントを解説していきます。
- この記事で分かること
- 田舎で塾を経営するメリット・デメリット
- 田舎で生徒数を増やすポイント
- 塾の開業前に確認したいポイント
- サマリー
田舎で塾経営を成功させるポイント=“圧倒的”な顧客満足度の高さ
- 「あの子がこんな成績取れるようになるの?」との口コミ
- 生徒が「塾に行くこと自体が楽しい」
- 保護者が「子どもをしっかり見てくれる」
- この記事の信頼性(筆者プロフィール)
- 元公文社員、学習塾業界の経験が18年
- 生徒数2倍、ホームページアクセス数2.3倍など実績多数
- コンサルティングや関わった塾は300件以上
- 経済産業省、ドリームゲート認定アドバイザー
田舎で塾を経営するメリット・デメリット
メリット
- 塾の運営費が安い
塾を経営するには場所が必要です。また、生徒数が多くなれば人を雇う必要もあります。
塾経営では、この賃料と人件費が支出の大きな割合を占めているのですが、この費用が都市部に比べて格段に安いことが大きなメリットです。
自分の給与も人件費だとしても、田舎は生活費が安く済むことが多いですので、生活するだけでなら大きな収入も必要ありません。
- 口コミが伝わりやすい
現在の保護者はインターネットで塾の情報を調べて、いくつかの塾を比較して問い合わせるケースが増えています。
友人同士の口コミも大事ですが、インターネットを使ったWEB集客が重要になってきています。
しかし、田舎は地域の人同士のネットワークが強く、口コミが伝わりやすいので、チラシなくても口コミだけで入塾するケースもまだ多いです。
デメリット
- 児童数が少ない
都市部だと子どもの数は多いですが塾間の競争が激しいです。競争が激しくても、子どもの数は一定数いるので、他塾との差別化など生徒獲得の方法はいくつか考えられます。
しかし、子どもの数自体が少ないと、そもそも塾に来てくれる母数が少ないのでやることも限られてしまいます。
- 教育に対する意識が低い
また、田舎だと教育に対する意識が低く、「塾に行かせる」こと自体の発想が無い保護者も多いです。
高校入試が定員割れしている地域などは、特に勉強させる意義を感じていない生徒や保護者も増えているようです。
大きな利益を出す塾は一握り
従って、田舎で塾を経営しようと思うと、ほとんどの塾では大きな収入は見込めず生活していく程度の利益が出せたら良い、ぐらいの収入がほとんどです。
それでも良いという方であれば、田舎でも塾を開業したら良いのではないかと思います。
それでも生徒数を増やして大きな利益を上げている塾もありますので、そのポイントをご紹介します。
田舎で生徒数を増やすポイント
“圧倒的”な顧客満足度の高さ
顧客とは塾に来てもらっている生徒と保護者のことです。
そして、単に満足度が高いのではなく、「圧倒的に」高いことが大事なポイントです。
ポイント①「あの子がこんな成績取れるようになるの?」
田舎であればあるほど、「〇〇さんちのお子さん、学校の成績悪いんでしょ」みたいな情報が知れ渡っています。
そのような生徒が塾に入って成績がトップクラスになれば、自然と口コミで入塾してくれる人が増えていきます。
来てもらった生徒の成績が少し上がる程度ではなく、“圧倒的に”上げることができる指導力が大事、ということです。
ポイント②生徒が「塾に行くこと自体が楽しい」
成績がそれほど上がらなくても、口コミが広がる場合があります。
それは塾に行くこと自体が楽しいケースです。
そのような生徒は、今まで家で宿題すらしなかったのが机で勉強するようになった、塾に行くのが楽しそう、など学習姿勢や意欲が変化した様子を保護者が感じているからです。
- 褒める
学習意欲を上げる方法として最も手軽に出来る方法としては「褒める」ことが挙げられます。
特に成績の悪い生徒は、家では怒られてばかりです。出来たことを褒めると生徒もやる気になります。
ポイント③保護者が「子どもをしっかり見てくれる」
口コミを生むのも、塾に行かせるかどうか決めるのも保護者です。保護者の満足度があがれば、それだけ口コミが広がります。
- コミュニケーション頻度を高める
“圧倒的に”保護者とのコミュニケーション頻度を高めることが大事です。
学習が終わった後に、LINEで学習の様子を保護者に伝えたり、学期ごとの個人面談などです。
保護者から「我が子は塾でしっかり見てもらっている」という気持ちになってもらうことが重要です。
- 伝える内容を具体的にする
LINEで保護者に伝えるにしても、毎回似たようなメッセージや一斉のメッセージのように他の人と同じ内容であれば意味がありません。内容を工夫して満足度を高めることが必要です。
「〇〇さん、今日も頑張ってましたよ」よりも、「先週出来なかった〇〇が、今日は自分で出来るようになって、本人も手ごたえを感じているようです」のように具体的に伝えることが大事です。
「帰ったら褒めてあげて下さい」のようなメッセージを伝えると、生徒本人の意欲にもつながります。
- 面談では保護者の悩みに寄添い、生徒の成長に価値づけを
保護者は学校の成績もそうですが、子育てでも色々悩んでいます。そのような悩みを家族以外の人が知っているだけでも、保護者の気持ち的に違ってきます。
そして、アドバイスしたとしても、「自分の悩みを知っている人」とそうで無い人とでは、同じアドバイスでも受け取り方が違います。
また、事実であろうがお世辞であろうが、我が子が褒められたらうれしいものです。塾での様子や成長を伝えると、保護者が知らない一面も出てきます。そのような違う一面で生徒の成長に価値づけすることも大事です。
最低必要なポイント
田舎で塾を経営する上では、最低でもポイント②は実践したいところです。
生徒が楽しく塾に通っている姿は親にも伝わりますし、それが口コミにもつながります。
残りの生徒指導のポイント①、保護者コミュニケーションのポイント③は、ご自分の得意な方から始めてみて下さい。
田舎での塾の開業前に確認したいポイント
友人の子どもなど、開業前に生徒を確保しておく
冒頭にお伝えしたように、子どもの数自体が少ないので生徒募集には苦労します。
従って、最初は近所や友人の子どもなどに来てもらって、その生徒で実績を作ることが大事です。
全くゼロ名の塾より、何人かいた方が他の生徒も入塾しやすくなります。
自分の収入を確保するために収支表を作成する
特に田舎で開業すると最初から大きな収入は見込めませんが、1年後・2年後にはこの程度の収入が欲しい、と具体化することも大事です。
教育に熱心な先生ほど、生徒の指導に時間を費やし、労働時間が長くなる割には収入が少ないまま、というケースが多々あります。
何となく生徒が増えたから自分の収入が増えた、よりも収入がこれだけ欲しいから、生徒数はこれだけ確保しよう、という目標値を設定することが大事です。
その上で、生徒の指導に時間を割くのか、生徒募集に時間を割くのかを考えていきましょう。
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