塾の経営者の平均年収は?年収アップのための3ステップ

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これから塾を開業しようと思っているのですが、今の生活水準をあまり下げたくないので、塾の経営者の年収が気になります。

塾の経営者がどのくらいの年収があるのか、について開業前に知りたい気持ちは良く分かります。塾を経営する前に、自分や家族が生活していく必要がありますよね。

結論としては、塾の経営者の年収に関する公的機関や調査会社による根拠のあるデータはありません。

よくネットで、塾の経営者の平均年収は〇〇円と書かれている場合、根拠になるデータがあるか確認してみて下さい。無いデータはあまり信ぴょう性が無い数字です。

 

データが無い、と言ってしまうと終わってしまうので、この記事では参考になりそうなデータをご紹介します。

 

また、筆者が300以上の塾と関わった経験から、年収が増えない塾経営者の特長と、年収を増やすための3つのステップをご紹介します。

  • 塾経営者の年収データは存在しない
  • 年収が増えない理由
  • 年収UPのための3つのステップ

  年収UPのための3つのステップ

  1.  【ステップ1】1人の子どもを徹底的に伸ばす
  2.  【ステップ2】人材育成を行う
  3. 【ステップ3】年収1,000万円を超えるには多店舗展開

  • 元公文社員、学習塾業界の経験が18年
  • 生徒数2倍、ホームページアクセス数2.3倍など実績多数
  • コンサルティングや関わった塾は300件以上
  • 経済産業省、ドリームゲート認定アドバイザー

塾経営者の年収データは存在しない

塾の経営者自体の年収データはありませんので、類似したデータをご紹介します。

個人事業主の所得は100万円超~200万円以下の割合が高い

令和元年のデータにはなりますが、国税庁が個人事業主の所得のデータを公表しています。

 

何らかの事業で収入を得ている個人事業主の人数の割合が下記の図になります。これは塾に限らず、様々な業種の人の収入の額になります。

100万円超~200万円以下が25.7%と最も高く、300万円~500万円の22.4%、その次に200~300万円の21.2%と続きます。

 

個人事業主の場合、生活費の一部(家賃など)を事業の費用として支払っている場合もあるため、サラリーマンの年収と単純に比べると低くなっています。

 

この年収の中央値で平均収入を計算すると、約453万円となりました。

塾を開業する場合、個人事業主から始める方も多いかと思いますので、参考の数字になると思います。

教育、学習支援業の月収

また毎年、厚生労働省が賃金構造基本統計調査を出しています。その中に産業別として「教育,学習支援業」という分類があります。

 

令和5年の月間の平均給与の額は下記のようになります。(単位は千円)

全体 教育・学習支援業
年齢計
318.3
377.1
 ~19歳
190
178.7
20~24歳
224.5
224
25~29歳
258.2
259.1
30~34歳
286.4
311.6
35~39歳
314.6
344.8
40~43歳
338.7
382.8
45~49歳
355.5
410.1
50~54歳
371.1
446
55~59歳
376.4
477.8
60~64歳
305.6
464.7
65~69歳
270.1
423.9

こちらの数字は100人以下の小規模の塾もあれば、1,000人以上の大規模の塾も含まれています。

 

また、従業員の賃金の数字ですので、経営者としての収入はご自身の年齢の月収の金額を超えるくらいの金額が一つの目標になるかもしれまません。

塾経営者の年収平均は分かりませんが、塾を経営する訳ですから、結局のところ年収はどんな塾経営をするかによって決まり、人それぞれになってしまうことになります。

ということで、年収が増えない人の特長や、年収を増やす3ステップをこれからご紹介します。

年収が増えない理由

価格競争をしてしまっている

大手塾や競合との差別化を図るため価格を安くする、という塾があります。

 

安くすることで、経済的な困難を抱えるご家庭のお子さんが通うことも出来るというメリットもありますが、経営者の収入という視点では年収が増えない原因となります。

 

会費が安いということは、収入を増やすためにはそれだけ多くの生徒を集める必要があります。多くの生徒を集めて、来た生徒全ての学力を伸ばそうと思えば、人を雇う必要があり、その分の費用がかかります。

価格は競合の塾と同じ価格帯かそれ以上にしないと、年収という面では厳しくなります。

そもそも生徒が伸びていない

生徒の学力が伸びていないと、保護者の口コミにつながりません。口コミにつながらないと、生徒数が伸びません。

 

生徒数が伸びないと収入も増えませんので、いかに一人ひとりの生徒を伸ばすかは年収においても大事なポイントです。

業務効率化が出来ていない

業務の効率化が出来ていないと、スタッフの残業も増えることになり、残業代が膨らんでしまいます。そして、残業代が支払えない場合などは良い人材も確保できません。

 

また、人を雇っていない場合、経営者が長時間労働を強いられ、体調を崩すことになってしまいます。

経営者としてのスキルが足りない

雇われて塾で働く場合は、最低限として授業の質に力を入れたら良かったのですが、経営者だと授業だけでなく、その他の業務が増えます。その中でも必要なスキルをご紹介します。

毎月の収入と支出を管理し、必要な現金が手元に残るように資金繰りし、余分な費用は無いかなどが分かるような財務スキルが必要です。

 

収入や支出を曖昧にしていると、いつの間にか資金が底を尽きて倒産になりかねません。

今までは友人の口コミだけで生徒数を増やしてきた塾でも、チラシの反応が減り、生徒獲得に苦労している塾が多いです。

 

最近の保護者はインターネットの情報を参考に塾を選びます。インターネットを使ったWEB集客の知識やスキルもこれからの塾経営には必要です。

学校教育は小学校での英語、プログラミング学習の導入、アクティブラーニングなどの新しい学び方の導入など大きく変化しています。

 

そのような世の中の変化に応じて、塾の在り方・見せ方も変わっていくべきです。そのために必要なのが戦略を立てるスキルです。

 

今までの成功体験だけで塾を経営していては、経営的に苦しくなる塾が多くなるでしょう。戦略を立てるスキルについて、こちらに詳しく解説しているので参考にしてみて下さい。

【年収UPのステップ1】1人の子どもを徹底的に伸ばす

一人の子どもを【徹底的に】伸ばす

最初は、1人の子どもを徹底的に伸ばす、です。

 

単に「生徒を伸ばす」ではなく、まず「1人」の子どもを「徹底的に」伸ばします。

1人だけ、、、ですか??

そうです、1人だけ伸ばすメリットとして
  • 想定外の子どもの成長が口コミにつながる
  • 指導している講師のスキルアップ

モニター生徒のような形で、1人生徒を選びます。例えば偏差値45の生徒を選んだとして、今の経験だと頑張っても偏差値55までしか伸びなかったとします。

 

その上限を偏差値60とか65を目標にして徹底的に指導すると、講師自身のスキルアップにもつながります。

 

ポイントは、この子は伸びてこのくらい、という先入観を打ち破ることです。

その保護者とのコミュニケーション量を増やす

そして、その生徒の保護者にはコミュニケーションの量を増やし、塾での様子や成長したことなどをどんどん伝えていきます。

 

保護者としては、熱心な先生がいる塾であること、成績が「期待以上に」伸びたことなどに対する口コミの元になってくれます。

このように、口コミが生まれる基盤を作ること、自分の生徒を指導する力を上げていくことが最初のステップです。

【年収UPのステップ2】人材育成を行う

一人で出来ることは限られる

いくら優秀な経営者でも一人で出来ることは限られます。集団授業でも教えられる人数は限られてきますので、1人経営だとどうしても年収に上限が出来てしまいます。 具体的な数字で考えてみましょう。
下記のような想定をします。
  • 生徒数:45名(15名クラス×3学年)
  • 会費:1人2万円/月
  • 月の支出額:40万円(賃料20万円、その他費用20万円)
  • 従業員:経営者のみの1名

その場合の収入です。

 

経営者の月収=(2万円×45名)―40万円=50万円
経営者の年収=50万円×12カ月=600万円

 

教室の最大学習人数が15名、各学年1クラスしか授業が出来なければ、上記が最大の収入となります。

 

もう一人いれば、追加で授業が設定できるので、売上もあがります。

下記のような想定をします。
  • 生徒数:30名(同時に3名まで指導)
  • 会費:1人2.5万円/月
  • 月の支出額:25万円(賃料15万円、その他費用10万円)
  • 従業員:経営者のみの1名

その場合の収入です。

 

経営者の月収=(2.5万円×30名)―25万円=50万円
経営者の年収=50万円×12カ月=600万円

 

こちらも、他にスタッフがいれば、生徒数の最大受入れ人数が増えて売上も高くなります。

このように、事業を拡大していく上では、塾にスタッフを雇って事業の範囲を広げることが年収UPにつながります。

もちろん、人件費がその分かかりますので収支計算を行った上で雇って下さい。

人材育成は塾の要

多くの塾が人材の確保や人材育成に悩んでいます。

 

理由はいくつかありますが、スタッフを育て切れていない塾が多いのが現状です。

 

普段から子どもの学力を伸ばしている塾の講師にとって、成績が伸びることと人材育成は同じ考え方です。

 

子どもの場合だと、

  1.  先生がやり方を教える(子どもがやり方を学ぶ)
  2.  子どもが自分でやってみる
  3.  先生は子どもが出来ているか確認する(観察する)
  4.  分からない場合は先生が教える(先生がヒントをあげる)
  5.  子どもが理解する
  6. 似たような問題を子どもが自分だけで出来るようになる

の順で「できる」ようになります。この「子ども」を「塾のスタッフ」に置き換えるだけです。

 

授業以外の業務も塾のスタッフに任せてみて、塾のスタッフを育成してみましょう。

塾全体として強くなっていく段階がステップ2でした。

【年収UPのステップ3】年収1,000万円を超えるには多店舗展開

1つの場所では限界がある

オンラインの場合は除きますが、通学型の塾では塾の広さによって生徒数に上限があります。

 

生徒数に上限があるということは、塾の売上にも上限があるということです。また、広い会場に移転したとしても、その地域の生徒数に上限があります。

 

従って、違う地域へ塾を解説しない限り、経営者の年収は増えません。

店舗を任せられる人材育成

経営者の体は一つしかありませんので、1つの店舗で授業している間、他の店舗では誰かが責任者となってその塾を運営していく必要があります。

 

単純に授業を行うだけでは無くて、塾の経営を任せられる経営者的な視点を持った人材が必要です。

 

そのような人材育成と同時に多店舗展開を行わないと失敗してしまいます。

業務の効率化

また、店舗が増えるということは支出も増えるということです。

 

現在は業務を簡単にしてくれるシステムなど数多くありますので、費用対効果を考えて上手く取り入れることが大事です。

よっぽど人気を集めて経営を効率化している塾を除き、年収1,000万円を超えるには、多店舗展開をしないと難しいケースが多いです。

多店舗展開するまで3~10年

これから塾を開業する方にとって、ステップ1は得意分野なのではないかと思いますが、ステップ2の人材育成やステップ3の他店舗展開などはハードルが高い方もいるかもしれません。

 

これも人によってですが、多店舗展開をするまで開業してから3~10年はかかるのではないかと思います。

開業したばかりは収入も低いと思いますが、まずはステップ1の自塾の子どもを伸ばして評判の良い塾にすることから取り組んで頂きたいと思います。

開業や塾経営に関して無料相談を実施しています。年収だけでなく、開業や集客に関するお悩みがありましたら、こちらからご連絡下さい。

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